幸福

 現在は衆議院の選挙戦のさなかである。
 先日、テレビの党首討論にて各党首の舌戦が行われていた。その中で私が気になったのは、景気実感という言葉であった。
 
 第二次安倍政権誕生から株価は上がり続け、日経平均は21000円を超えている。(ちなみに本日は56年9ヶ月ぶりの14日連続の続伸であり、最長連騰記録に並んだそうである。)
 与党によると様々な経済指標で良い数字が出ているそうである。
 野党によると8割の国民が未だ好景気を実感できていないという。

 しかし、10年くらい前のいざなみ景気の頃も、いざなぎ景気超えといわれる一方で実感なき景気回復といわれていた。バブル景気の時のアンケートでも好景気を実感できない人が半分くらいいたそうである。

 バブルの頃の日本の景気を以ってしても好景気を実感できないとなると、そのようなタイプの人たちは永遠に好景気を実感できないのではないだろうか。これは自分が幸福か不幸かというのに似ているような気がする。健康なだけで幸運と感じる人もいれば、何かと不幸と感じる人がいるように、気持ち次第なのである。それはその人の性質であり、それが良い悪いと一概に言えるものではないが、史上空前のバブル景気の時でさえ約半数の国民が実感のない好景気と感じていたというのは面白い話である。

「我々が皆、自分の不幸を持ち寄って並べ、それを平等に分けようとしたならば、大抵の人たちは自分の持ってきた不幸の方が良いと言って立ち去るであろう。」というソクラテスの言葉がある。確か私が10代の頃に買った名言集で知った名言で、なるほどと納得し覚えている言葉である。

 私もたまに自分の人生にイライラすることがあるのだが、今ある幸福に感謝する心を忘れたくないものである。

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