バランス
鹿島倭弧
世の中、極端で変わった人間が多ければ、その都度、批判は巻き起こっても、斬新な思考や新しい発見が生まれる。皆が一人ひとり自分の中でバランスを取ろうとすれば、当たり障りのないものが溢れて、面白味の無い世界になる。
バランスが取れている人物を良しとすれば、極端な人は世間から責められ、その人が生み出す筈だった『変わったもの』が日の目を見ることなく消えていく。
少々の迷惑には目をつぶって、変わった人物がこの国にも、人生にも必要である。変人と過ごす時間は無茶苦茶で面白い。殺人鬼には出会いたくないけれど、他人事で聞く分には怖くて面白い。
私も他人の目を恐れず素直に生きたい。
一人一人が自分を厳しく律してバランスを取るのではなく、自由に生きて、それが極端であっても、またその対極に誰かが居てくれればバランスは取れる。そうやって世界の皆でバランスを取れれば良い筈である。